『キノの旅』と『魔女の旅々』は似ている?ロードムービーアニメ2選

『キノの旅』と『魔女の旅々』は似ている?ロードムービーアニメ2選

みなさんは『キノの旅』または『魔女の旅々』をご覧になったことはありますか?『キノの旅』と『魔女の旅々』の両方をご覧になった方の中には、この2つの作品が「似ている」と感じた方もいらっしゃるかと思います。確かに、『キノの旅』と『魔女の旅々』はどちらも「旅」をテーマとした作品で、アニメの構成も非常に似ています。

しかし、『キノの旅』と『魔女の旅々』は似ているようで、実は大きく違います。それぞれ独自の魅力と特色があり、それぞれ別の作品として楽しむのが一番だと思います。そこで今回は、『キノの旅』と『魔女の旅々』の違いを徹底比較します。

『キノの旅』と『魔女の旅々』の作品紹介

『キノの旅』と『魔女の旅々』の作品紹介

『キノの旅』は、時雨沢恵一先生が原作のライトノベルで、イラストは黒星紅白先生が担当、2003年4月から7月にかけてテレビアニメ第1作が、2017年10月から12月にかけてテレビアニメ第2作が放送されました。物語は、「キノ」という旅人と「エルメス」という人間の言葉を話すモトラド(二輪車)が独特の制度や価値観、技術を持つ国々を旅するというものです。

『キノの旅』はこれまでに二度アニメ化されており、2003年放送のテレビアニメ第1作『キノの旅 -the Beautiful World-』と2017年放送のテレビアニメ第2作『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』では何から何まで異なりますが、それぞれに違った魅力があります。詳しくは下記の記事をご参照ください。

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みなさんは『キノの旅 -the Beautiful World-』という作品をご存知ですか?『キノの旅 -the Beautiful World-』は、ライトノベル作家の時雨沢恵一先生とイラストレーター…

一方、『魔女の旅々』は、白石定規先生が原作のライトノベルで、イラストはあずーる先生が担当、2020年10月から12月にかけてテレビアニメが放送されました。物語は、若くして魔法使い最上位の「魔女」となった「イレイナ」が世界各地を気ままに旅し、様々な国や人と出会うというものです。

『魔女の旅々』はこれまで一度しかアニメ化されておらず、『キノの旅』のテレビアニメ第2作より後に放送されたのですが、実は視聴者の間で『キノの旅』と『魔女の旅々』が「似ている」という意見が多く上がっているのです。果たして『キノの旅』と『魔女の旅々』は本当に「似ている」のでしょうか?

『キノの旅』と『魔女の旅々』は似ている?

『キノの旅』と『魔女の旅々』は、どちらも1話完結型のロードムービーです。どちらも作品も主人公が旅をしながら様々な国を訪れ、その地で起こる出来事や人々との交流を描いています。また、どちらも作品も訪れる国が持つ独特の制度や価値観を通じて、人間の様々な側面や社会の問題を象徴的に描いています。

しかし、『キノの旅』と『魔女の旅々』はそれぞれ独自の魅力と特色を持つ作品であり、それぞれ別の作品として楽しむのが一番だと思います。ただし、どちらの作品も視聴する際には、それぞれの作品の特性を理解した上で視聴することが重要です。そこで今回は、『キノの旅』と『魔女の旅々』の違いを徹底比較します。

『キノの旅』と『魔女の旅々』を徹底比較!

『キノの旅』と『魔女の旅々』を徹底比較!

まず前提として、『魔女の旅々』の作者である白石定規先生は、影響を受けた作品の1つとして『キノの旅』を挙げています。『キノの旅』は寓話的な異世界もののライトノベルの先駆け的な存在であり、『魔女の旅々』もその作品群の1つです。一方、『キノの旅』の作者である時雨沢恵一先生は、最も影響を受けた作品として松本零士先生原作の『銀河鉄道999』を挙げており、それが同作品の原点となっているようです。

ファンタジー色が強いか否か

『キノの旅』と『魔女の旅々』は、その名の通りどちらも「旅」がテーマとなっています。どちらも1話完結型のロードムービーで、主人公は毎回様々な国を訪れますが、どの国も独特の制度や価値観、技術を持っています。その制度や価値観、技術は千差万別です。なお、どちらの作品にも「〇〇の国」というタイトルの付いたエピソードがいくつもあります。

ただし、『魔女の旅々』は『キノの旅』よりもファンタジー色が強くなっています。『魔女の旅々』には魔法はもちろんのこと、グールやドラゴンといったモンスターも登場します。一方、『キノの旅』はファンタジー要素が少なく、どちらかと言うと現代社会の風刺にフォーカスを当てています。この世界観の違いが好き嫌いを分けているようです。

メッセージ性や社会性が強いか否か

『キノの旅』と『魔女の旅々』は、どちらも1話完結型のロードムービーです。主人公は1話ごとに違う国を訪れ、そこで独特の制度や価値観、技術に触れます。ただし、『魔女の旅々』は『キノの旅』ほど各話の独立性が高いわけではありません。物語にはある程度の連続性があり、イレイナの旅の軌跡がわかるようになっています。

また、『キノの旅』と『魔女の旅々』には明るい話だけでなく暗い話もありますが、『キノの旅』は『魔女の旅々』よりもメッセージ性の強いものが多いです。同じ暗い話でも『キノの旅』は現代社会を風刺しているのに対して、『魔女の旅々』は原作の白石定規先生が好みで書いているようです(「月刊ニュータイプ」のインタビューより)。

ほかにも、『キノの旅』と『魔女の旅々』では「個人」「社会」のどちらに重きを置いているかに違いがあります。『キノの旅』では「社会」を描くために主人公のキノは基本的に傍観者を貫いていますが、『魔女の旅々』は主人公のイレイナ「個人」と旅先で出会った人たちとの交流を中心に描いています。

「キノ」と「イレイナ」

キノとイレイナは、どちらも10代の女性の旅人です。しかし、それ以外は大きく異なります。まず、キノはエルメスとの二人旅(厳密には一人と一台)で、イレイナは一人旅です。また、キノは「1つの国に3日間滞在する」というルールを己に課していますが、イレイナにそのようなルールはありません。その他にも、移動手段(キノは二輪車、イレイナは箒)や自分を守る術(キノは銃、イレイナは魔法)など、さまざまな面で違いがあります。

ちなみに、『キノの旅』では「キノとエルメス」以外に「師匠と相棒」「シズと陸」「フォトとソウ」が主人公となる回もあります。これは、『キノの旅』が1話完結型で、主人公があくまで「傍観者」であるからこそ可能なことでしょう。一方、『魔女の旅々』は基本的にイレイナが主人公で、イレイナを中心に物語が展開します。

まとめ

いかがでしたか?『キノの旅』と『魔女の旅々』は似ているようで、実はそれぞれ違う魅力を持った作品だということが理解できたと思います。もし『キノの旅』と『魔女の旅々』のどちらか一方しかご覧になっていない方や、『キノの旅』と『魔女の旅々』が「似ている」とお思いの方は、ぜひ一度2つの作品を見比べてみてください。

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